NIBIOHN 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition

NIBIOHN JMD

(Japan Microbiome Database)

腸内細菌叢データベースで新たな健康社会を実現

 腸内細菌叢や栄養・食事成分などから形成される腸内環境を介した生体機能制御メカニズムを解明することで、
未病を含めた各種疾患に対する創薬、機能性食品、ヘルスケア製品のシーズ開発を進めています。
さらに、関連領域の加速度的発展の支援と共に、健康長寿社会の実現に貢献します。

  • 論文発表

    2023.7.14

    以下の論文が公開されました。

    Akazawa N, Nakamura M, Eda N, Murakami H, Nakagata T, Nanri H, Park J, Hosomi K, Mizuguchi K, Kunisawa J, Miyachi M, Hoshikawa M (2023) Gut microbiota alternation with training periodization and physical fitness in Japanese elite athletes. Front. Sports Act. Living 5: 1219345. doi

  • 論文発表

    2023.5.9

    以下の論文が公開されました。

    Maruyama S, Matsuoka T, Hosomi K, Park J, Nishimura M, et al. (2023) Characteristic gut bacteria in high barley consuming Japanese individuals without hypertension. Microorganisms 11(5): 1246. PubMed doi

  • 論文発表

    2022.8.18

    以下の論文が公開されました。医薬基盤研究所のお知らせ プレスリリース

    Hosomi K, Saito M, Park J, Murakami H, Shibata N, et al. (2022) Oral administration of Blautia wexlerae ameliorates obesity and type 2 diabetes via metabolic remodeling of the gut microbiota. Nat Commun 13(1): 4477. PubMed doi

  • 論文発表

    2022.5.19

    以下の論文が公開されました。

    Mohsen A, Chen YA, Osorio RSA, Higuchi C, Mizuguchi K (2022) Snaq: a dynamic snakemake pipeline for microbiome data analysis with QIIME2. Front Bioinform 2: 893933. PubMed doi

  • 論文発表

    2022.5.16

    以下の論文が公開されました。

    Park J, Hosomi K, Kawashima H, Chen YA, Mohsen A, et al. (2022) Dietary vitamin B1 intake influences gut microbial community and the consequent production of short-chain fatty acids. Nutrients 14(10): 2078. PubMed doi

  • その他

    2022.3.31

    NIBIOHN JMDについてプレスリリースしました。医薬基盤研究所のお知らせ プレスリリース

  • 共同研究

    2022.2.21

    「東北メディカル・メガバンク計画」「PRISM認知症プロジェクト」と連携し、日本国内のコホート調査で保有する情報のサマリーを公開しました。プレスリリース

Outline

概要

 近年の研究から、腸内細菌は肥満や炎症、感染症やがんなど、今まで考えられていた以上に私たちの健康に大きな影響を与えていることがわかってきました。私たちは2015年度より健康な人を対象とした腸内細菌叢データベース構築のための研究に着手してきましたが、この度、世界最大規模の腸内細菌叢データベースとしてNIBIOHN JMD (Japan Microbiome Database) を構築し、一部のデータを公開しました。
 NIBIOHN JMD には、16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンシングとショットガンメタゲノムシーケンシングの腸内細菌叢データに加え、食事や摂取栄養素、身体活動などの生活習慣に関する様々なデータ (表現型メタデータ) の項目情報が格納されています。また一部の参加者については、経時的な測定データや、口腔内や皮膚などの細菌叢のデータを格納しています。さらには、可視化や関連解析を可能とする独自に開発した統合解析プラットフォームMANTAを用いた解析も可能となっています。
 NIBIOHN JMDのデータは、日本人の腸内細菌叢の特徴の理解や、様々な健康状態や疾患と腸内細菌との関わりを解明する研究など、様々な研究に利用されることが期待されます。

腸内細菌

食事

運動

Features

特徴

NIBIOHN JMDの特徴

全国各地の自治体、企業、研究機関の協力によるマイクロバイオーム
生活習慣や生体内因子等の豊富なメタデータを含めた統合データベース

  • 大規模コホートデータベース

    豊富な関連データを持つマイクロバイオームデータベースとして、国際的に最大規模

  • 信頼性が高い

    サンプリングからデータ化の過程までインハウスで厳しい条件で処理することで、高品質データベースを構築

  • 独自開発統合解析プラットフォーム

    データの保存だけではなく、可視化や関連解析が可能

健康、栄養および食品に関する研究を通じて
国民の健やかな未来を実現

データ分析

  • データベース

    NIBIOHN
  • バイオ
    インフォマティクス

    MANTA
  • 動物モデル
    分子細胞学的解析

診断・治療

健康維持

生活指導

未病・予防

個別化医療

開発支援

がん・ワクチン

創薬

食品

Data

データ

Cohort data

NIBIOHN JMDデータの詳細

 NIBIOHN JMDには、現在はNIBIOHN主導のコホートのデータのみが収載されていますが、今後、他アカデミア機関主導のコホートや企業などが主導のコホートのデータについても収載していく予定です。腸内細菌叢のデータとしては、16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンシングとショットガンメタゲノムシーケンシングのデータがあり、それぞれ2,859件と2,488件のデータが収載されています。また、食事、摂取栄養素や身体活動などの生活習慣に関するデータ (表現型メタデータ) としては、2,869件のデータが収載されています。

コホート別のデータの数

測定地 16S rRNA gene Shotgun Metadata
NIBIOHN 東京都新宿区(2件) 481 474 484
新潟県南魚沼市(1件) 625 625 625
山口県周南市(3件) 596 595 598
大阪府大阪市(1件) 388 387 388
企業などとの共同研究 4件 769 407 774
総計 11件 2,859 2,488 2,869

※一部、縦断研究および複数部位のデータ含む

Metadata/ショットガン/16S rRNAの件数, 年齢別データ件数, 男女比(男性:47.3%,女性:52.7%)

Phenotype metadata

表現型メタデータ

 NIBIOHN JMDには、食事、摂取栄養素、運動習慣等の様々な表現型メタデータが収載されており、詳細は以下のリンクから確認できます。これらのデータのうち、一部のデータについてはNIBIOHN JMD (公開用)で公開しています。その他のデータについては、研究倫理審査の承認を受けた共同研究機関にのみ提供します。

表現型メタデータを見る

NIBIOHN JMD(公開用)

 NIBIOHN JMD(公開用)には、4つの各地域コホート(東京都新宿区、大阪市、新潟県南魚沼、山口県周南市)から954名(女性:563名、男性:391名、平均年齢:51.3歳)の腸内細菌叢データに加え、地域、年齢、性別のデータが収載されています。これらのデータは、独自に開発した統合解析プラットフォームMANTAを用いて公開しています。

NIBIOHN JMD(公開用)

MANTA Platform

MANTAプラットフォーム

統合解析プラットフォームMANTA

 MANTAは腸内細菌叢データと食事や運動などの様々な表現型メタデータを活用し、可視化、関連解析ができる統合解析プラットフォームです。MANTAは利用者にとって使いやすいシステムを目指しており、バイオインフォマティクスの専門家でなくてもデータベース上のデータを対話的に抽出、表示したり、相関解析することが可能です。従って、腸内細菌叢データと様々な表現型データとの関連を確認することはもちろん、動物実験の結果をヒトデータと照合したり、あるいは動物実験の設計・条件検討を行う際など様々な形で多様な分野の方々に利用していただけると考えています。私たちはこのMANTAシステムを用いて、NIBIOHN JMDに格納されている腸内細菌叢データや、食事、摂取栄養素、身体活動などの生活習慣に関するデータについて、データ相互間での関連解析など様々な研究を行っています。

 腸内細菌叢のデータとしては16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンシングとショットガンメタゲノムシーケンシングのデータがあり、各生物系統分類レベルごとに、棒グラフやヒートマップによって可視化することができるだけでなく、Bray-CurtisやUniFrac距離に基づいて階層的クラスタリングを行い、系統樹を出力することができます。また、主座標分析については、生活習慣等の表現型メタデータの情報をもとに色を分けて表示することが可能です。さらに、腸内細菌叢と様々な表現型メタデータとの間の相関関係や表現型メタデータの間での相関関係を示すことが可能です(Pearson、Spearman)。このシステムには、サーバー版の他にPCにインストールして活用できるMANTA basicがあり、自由にダウンロードしてお使いいただけます。

MANTAプラットフォームのフロー図

Try out MANTA

MANTAお試しください

チュートリアル

MANTAのご利用方法は以下のチュートリアルをご覧ください。

MANTAのチュートリアル

MANTA basic

すぐに使用できるPC版のダウンロード。

ソフトウェアのダウンロード

MANTA basicのユーザーガイド

MANTA (サーバー版)

MANTA (サーバー版) をご使用になりたい方はGitHubまたはこちらからソースプログラムを入手してください。

インストール方法

GitHub MANTA Project

ソースコード

MANTAデモデータベース

MANTAの機能を評価していただくためにMANTAデモデータベースを用意しました。これは、実際のデータをもとにデモ用に加工したデータで実際のデータとは異なります。

MANTAデモデータベース

MANTAデモデータベースに収載されているデータをダウンロードできます。MANTA(サーバー版)やMANTA basicのインストールの確認にお使いいただけます。

Publications

文献

  • 文献

    Akazawa N, Nakamura M, Eda N, Murakami H, Nakagata T, Nanri H, Park J, Hosomi K, Mizuguchi K, Kunisawa J, Miyachi M, Hoshikawa M (2023) Gut microbiota alternation with training periodization and physical fitness in Japanese elite athletes.Front. Sports Act. Living 5: 1219345. doi

  • 文献

    Maruyama S, Matsuoka T, Hosomi K, Park J, Nishimura M, Murakami H, Konishi K, Miyachi M, Kawashima H, Mizuguchi K, Kobayashi T, Ooka T, Yamagata Z, Kunisawa J (2023) Characteristic gut bacteria in high barley consuming Japanese individuals without hypertension. Microorganisms 11(5): 1246. PubMed doi

  • 文献

    Hosomi K, Saito M, Park J, Murakami H, Shibata N, Ando M, Nagatake T, Konishi K, Ohno H, Tanisawa K, Mohsen A, Chen YA, Kawashima H, Natsume-Kitatani Y, Oka Y, Shimizu H, Furuta M, Tojima Y, Sawane K, Saika A, Yonejima Y, Takeyama H, Matsutani A, Mizuguchi K, Miyachi M, Kunisawa J (2022) Oral administration of Blautia wexlerae ameliorates obesity and type 2 diabetes via metabolic remodeling of the gut microbiota. Nat Commun 13(1): 4477. PubMed doi

  • 文献

    Mohsen A, Chen YA, Osorio RSA, Higuchi C, Mizuguchi K (2022) Snaq: a dynamic snakemake pipeline for microbiome data analysis with QIIME2. Front Bioinform 2: 893933. PubMed doi

  • 文献

    Park J, Hosomi K, Kawashima H, Chen YA, Mohsen A, Ohno H, Konishi K, Tanisawa K, Kifushi M, Kogawa M, Takeyama H, Murakami H, Kubota T, Miyachi M, Kunisawa J, Mizuguchi K (2022) Dietary vitamin B1 intake influences gut microbial community and the consequent production of short-chain fatty acids. Nutrients 14(10): 2078. PubMed doi

  • 文献

    Park J, Kato K, Murakami H, Hosomi K, Tanisawa K, Nakagata T, Ohno H, Konishi K, Kawashima H, Chen YA, Mohsen A, Xiao J, Odamaki T, Kunisawa J, Mizuguchi K, Miyachi M (2021) Comprehensive analysis of gut microbiota of a healthy population and covariates affecting microbial variation in two large Japanese cohorts. BMC Microbiol 21: 151. PubMed doi

  • 文献

    Chen YA, Park J, Natsume-Kitatani Y, Kawashima H, Mohsen A, Hosomi K, Tanisawa K, Ohno H, Konishi K, Murakami H, Miyachi M, Kunisawa J, Mizuguchi K (2020) MANTA, an integrative database and analysis platform that relates microbiome and phenotypic data. PLoS One 15(12): e0243609. PubMed doi

  • 文献

    Ohno H, Murakami H, Tanisawa K, Konishi K, Miyachi M (2019) Validity of an observational assessment tool for multifaceted evaluation of faecal condition. Sci Rep 9(1): 3760. PubMed doi

  • 文献

    Hosomi, K, Ohno, H, Murakami, H, Natsume-Kitatani, Y, Tanisawa, K, Hirata, S, Suzuki, H, Nagatake, T, Nishino, T, Mizuguchi, K, Miyachi, M, Kunisawa, J (2017) Method for preparing DNA fromfeces in guanidine thiocyanate solution affects 16S rRNA-based profiling of human microbiota diversity. Sci Rep 7(1): 4339. PubMed doi

文献一覧を見る

Contact

お問い合わせ

お問い合わせ

各種お問い合わせ、共同研究のご相談はこちらにお問い合わせください。

必要事項を入力のうえ送信してください。

お問い合わせ種別
所属機関 / 企業名
ご担当者様名
フリガナ
メールアドレス
電話番号
ご質問・ご要望などは以下にご記入ください。